日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
自傷および他傷による腹部刺傷の2症例
内田 史武黨 和夫荒井 淳一高木 克典國崎 真己阿保 貴章日高 重和七島 篤志澤井 照光永安 武
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キーワード: 腹部刺傷, 緊急手術
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2017 年 37 巻 5 号 p. 809-812

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抄録

症例1は65歳の男性,統合失調症のため外来通院中であった。自ら左腹部を包丁で刺し,約1日経過した後救急搬送された。来院時刺創部から大量の腸管の脱出を認めた。バイタルサインは安定しており,腹部造影CTで腹腔内臓器損傷の所見は明らかでなかったが,緊急開腹手術を行った。腹腔内臓器の損傷はなく,脱出腸管はisolation bagに収納して腹腔内へ還納した。症例2は43歳の男性,仲間と口論になり左上腹部を包丁で刺され,救急搬送された。来院時左上腹部には包丁が刺入していたが外出血はなく,バイタルは安定していた。腹部造影CTで包丁は膵実質,横行結腸に近接しており緊急開腹手術を行った。包丁は網囊に刺入していたが胃,横行結腸,膵の間に位置しており臓器損傷はなかった。腹部刺傷は頻度が低いが迅速な判断を求められるため,外科医は手術の適応を含め,その一般的対応を熟知しておかなければならない。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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