2019 年 39 巻 1 号 p. 099-103
虫垂癌は比較的まれな疾患であり,また最近では虫垂周囲膿瘍を伴うような高度炎症が予想される虫垂炎に対してはinterval appendectomyの頻度も増加している。症例は35歳,女性。右下腹部痛を主訴に急性虫垂炎の疑いで当科へ紹介となった。CTでは,虫垂周囲膿瘍を伴う急性虫垂炎の所見を認め,interval appendectomyの方針とし抗生剤で加療を開始した。腹痛や炎症値は改善傾向であったが,入院4日目に腹痛,発熱などが増悪し緊急で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。病理検査結果で粘膜下層まで浸潤する高分化腺癌の所見を認め,虫垂癌の診断となった。断端は陰性であった。その後,腹腔鏡下回盲部切除術+D2郭清を施行し,現在無再発生存中である。Interval appendectomyを行う際には切除を行う時期が遅れることもあり,若年であっても虫垂癌の可能性を念頭に置いての治療方針の決定が必要である。