2019 年 39 巻 4 号 p. 649-653
複雑性虫垂炎(以下,CA)に対する待機的虫垂切除術(以下,IA)は緊急虫垂切除術(以下,EA)より手術成績が良好だが,その中には逸脱症例が存在する。逸脱症例の治療成績からCAに対するIAの妥当性を検討した。2011年1月から2017年8月にCAと診断した165例を対象とし,EA,IA成功群(以下,IA-S),IA逸脱群(以下,IA-F)に分類し手術成績と入院日数を比較した。EA:95例,IA-S:53例,IA-F:17例だった。術後合併症率はEA:37.9%,IA-S:7.5%,IA-F:11.7%で,IA-SとIA-FはEAよりも低かった。出血量,手術時間ともにIA-SはEAより良好で,IA-FとEAは同等であった。総入院日数はEA:10日,IA-S:13日,IA-F:10日で,EAとIA-Fの入院日数は同等であった。IAは合併症率が低く,逸脱してもEAに劣らない。IAはCA治療の第1選択として妥当である。