日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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ISSN-L : 1340-2242
特集:Complicated appendicitisの診断と治療戦略
腹腔鏡手術を基本とした膿瘍形成性虫垂炎に対する治療戦略
道傳 研太稲木 紀幸山本 大輔北村 祥貴角谷 慎一伴登 宏行
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2019 年 39 巻 4 号 p. 655-661

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抄録

膿瘍形成性虫垂炎に対する治療戦略は緊急手術かinterval appendectomy(以下,IA)かという選択の議論に加えて,腹腔鏡手術が選択肢に加わり,治療戦略は多様化している。Laparoscopic IA(以下,LIA)は広く行われているが,laparoscopic emergency appendectomy(以下,LEA)との比較検討は十分になされていない。今回われわれは2007〜2016年にLIAを予定した31例を対象とし,同時期にLEAを施行した症例から31例をマッチングし,解析した。術後合併症はLIA群では認めず,LEA群で8例(25.8%)認めた(P=0.01)。術後在院日数の中央値はLIA群で4日,LEA群で7日であり,LEA群で長かった(P=0.007)。総在院日数の中央値はLIA群で16日,LEA群で8日であり,LIA群で長い結果となった(P<0.0001)。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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