2019 年 39 巻 4 号 p. 691-694
症例は76歳の男性で,夕食後より出現した突然の嘔吐症状から腸閉塞を疑われ,前医より紹介となった。腹部CT検査では,小腸拡張,著明な胃拡張と胃壁内の連続する小気泡所見,門脈ガス血症を認めた。腸管および胃壁の造影不良所見は認めなかった。癒着性腸閉塞が原因となり発症した門脈ガス血症を伴った胃気腫症と診断し,閉塞解除のため同日手術を施行した。開腹すると,癒着によるバンド形成を認め,これを剝離した。胃壁は握雪感を認めたが,壊死を示唆する所見はなく,癒着剝離術のみで手術は終了した。術後経過は良好で,術後第10病日の腹部CT検査では,門脈ガス血症,胃気腫像ともに消失した。