日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔内遊離ガスを認めた気腫性胆囊炎の1例
森本 洋輔藤田 晃司菊永 裕行三浦 弘志森永 正二朗熊井 浩一郎
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2019 年 39 巻 4 号 p. 703-706

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抄録

症例は87歳女性。1週間前より持続する右側腹部痛を主訴に来院した。右上腹部に圧痛・反跳痛・筋性防御を認め,血液検査で炎症反応の上昇および肝胆道系酵素の上昇を認めた。腹部CT検査で胆囊内腔のガス,肝表面の腹腔内遊離ガス,胆道気腫および胆囊内結石を認め,胆囊壁の破綻が示唆された。気腫性胆囊炎穿孔の診断で緊急開腹胆囊摘出術の方針とした。術中所見では,胆囊壁の破綻による腹腔内への胆汁漏出および胆石の落下を認めた。術中に採取した胆汁培養からはE.coliが検出され,起炎菌と考えられた。病理組織学的には胆囊壁全層に及ぶ高度の炎症細胞浸潤,びらん,潰瘍形成を認め,壊疽性胆囊炎と診断した。術後6日目にSSIを認めたが保存的加療で軽快した。気腫性胆囊炎は,壊死・穿孔の可能性が高く重篤化しやすい疾患である。腹腔内遊離ガスを認めた胆囊炎の本邦報告例は13例と少なく,若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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