日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:腹部外傷治療戦略
腹部外傷におけるDamage Control Surgeryの適応基準の検討
漆畑 直村田 希吉大友 康裕
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2019 年 39 巻 5 号 p. 845-849

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抄録

腹部外傷におけるdamage control surgery(以下,DCS)の適応基準はいまだに多くの議論がある。今回われわれは,鈍的外傷患者におけるDCSの新適応基準を検討した。日本外傷データバンクから緊急開腹手術を受けたfocused assessment with sonography in trauma(FAST)陽性の鈍的外傷患者1,934例を抽出し,DCSを受けた364例と通常開腹手術を受けた1,570例を分析した。DCS群は来院時のバイタルサインが悪く,輸血率,死亡率いずれも高値であった。ロジスティック回帰分析では,血圧,意識レベル,体温がDCSの独立した予測因子であった。これら予測因子を用いてDCS予測スコアを作成したところ,死亡率と相関を認めた。Cut Off値3点で死亡率35.8%,感度 68%,特異度 63%であり,DCSの適応基準として妥当であった。本スコアは迅速に評価でき,早期よりDCSを要する重症患者の認識が可能である。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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