日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
ICG蛍光法で腸間膜血腫部位の腸管血流を確認し,大量腸切除を回避し得た腹部鈍的外傷の1例
野島 広之清水 宏明首藤 潔彦山崎 将人小杉 千弘村上 崇幸田 圭史
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2020 年 40 巻 3 号 p. 513-515

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抄録

症例は69歳男性。運転中,対向車と衝突。腹部鈍的外傷,右足関節遠位部骨折あり,現場より当院に救急搬送された。腹部造影CTで小腸の腸間膜からの出血および周囲の液体貯留が疑われ,腹腔内出血,腸間膜損傷と診断し,同日緊急手術を施行した。Treitz靭帯から100cm肛門側空腸腸間膜に動脈性に出血している裂傷を認め,組織脆弱で腸間膜は修復不能であり,同部の空腸を含めて切除した。また,肛門側50cm,110cmの腸間膜内巨大血腫および腸間膜と腸管の間からoozingを認め,うっ血による血流障害が疑われたが,蛍光ICG法で腸管内の血管は造影され血流は保たれていると判断し,小腸切除は施行しなかった。他のまだら状の血流不良部分に漿膜筋層縫合をかけて補強した。術後は経過良好で,術後6日目に経口摂取開始,術後13日目に骨折治療のため転科,術後48日目に独歩退院。現在,外来通院中である。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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