日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
横行結腸が脱出したMorgagni–Larrey孔ヘルニアに対して内視鏡下整復後に待機的腹腔鏡下修復術を施行した超高齢者の1例
吉田 諭平間 公昭水野 豊
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 40 巻 4 号 p. 559-562

詳細
抄録

89歳女性。心窩部痛と嘔吐を3日前から認め,腸閉塞疑いで当院紹介となる。CTで縦隔内に横行結腸の脱出を認め,Morgagni孔ヘルニア内に脱出した横行結腸と診断した。X線透視下での下部消化管内視鏡で横行結腸を整復した後に,待機的腹腔鏡下Morgagni–Larrey孔ヘルニア修復術を施行した。胸骨背側の左右にそれぞれヘルニア囊が認められ,右側のヘルニア囊に横行結腸と大網が嵌入していた。ヘルニア囊は切除せず,SymbotexTM Composite Mesh(コヴィディエン社)を用いてメッシュの固定にはヘルニアステープラーに腹壁外結紮法を併用した。併存症や全身状態から緊急手術はリスクが高いと判断し,内視鏡下整復後に待機的手術を施行し,良好な経過が得られた。本疾患に内視鏡下整復後に待機的手術を施行した報告例は少なく,待機的腹腔鏡下修復術は低侵襲で,超高齢者においても安全かつ簡便に施行可能と考えられた。

著者関連情報
© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top