2020 年 40 巻 4 号 p. 609-613
閉鎖孔ヘルニアは痩せ型,高齢の女性に多い疾患である。治療の基本は手術であり,種々の術式報告が散見されるが,確立されたものが存在しないのが現状である。今回われわれは,閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対し腹腔鏡下に水圧法による整復およびヘルニア囊反転高位結紮を施行した1例を経験したので報告する。症例は86歳,女性。数時間前より発症した,右大腿部痛を主訴に当院へ救急搬送された。CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。腹腔鏡下経腹法でアプローチし,水圧法による整復後,ヘルニア囊の反転高位結紮を施行した。経過良好で術後第10病日に退院となった。上記術式は,低侵襲かつ簡便であり,緊急手術時において第1選択となり得ると考えられた。