日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
術後病理検査で診断された低異型度虫垂粘液性腫瘍の1例
小野 仁
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2020 年 40 巻 4 号 p. 605-607

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抄録

症例は47歳,女性。9日前に心窩部痛で発症し,3日前より右下腹部に痛みが限局してきた。発熱も出現し,当院消化器内科を受診した。右下腹部に圧痛を認め,採血検査で軽度の炎症反応上昇を認めた。CTで,虫垂の腫大と壁肥厚,周囲脂肪織濃度の上昇を認めた。急性虫垂炎の診断で手術目的に当科紹介となった。急性虫垂炎と診断し,同日単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。病理組織学的に,低異型度虫垂粘液性腫瘍と診断された。低異型度虫垂粘液性腫瘍は,組織学的には良性でも,破裂や粘液の漏出で腹膜偽粘液腫をきたす可能性があり,虫垂切除の際には,愛護的操作と断端の確実な確保が求められる。今回われわれは,術後病理検査ではじめて診断された低異型度虫垂粘液性腫瘍の1例を経験したので,若干の文献的考察を含め報告する。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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