日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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症例報告
腹腔鏡および前方アプローチの併用手術が有用であったDe Garengeot Herniaの1例
仲山 孝滝口 光一井ノ上 鴻太郎林 嗣博佐藤 和磨絹田 俊爾羽成 直行輿石 直樹
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2021 年 41 巻 1 号 p. 89-92

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抄録

症例は87歳男性。右鼠径部の膨隆と疼痛を主訴に当院受診となった。身体診察上は右鼠径部に発赤を伴う鶏卵大の膨隆を認め,用手環納は困難であった。腹部造影CT検査で,大腿輪より脱出したヘルニア囊内に虫垂が存在し,de Garengeot herniaの術前診断で緊急手術を施行した。腹腔鏡アプローチで手術開始し,ヘルニア門を確認すると,大腿輪に虫垂が嵌頓していた。De Garengeot herniaと診断した。腹腔内からの牽引による嵌頓解除は困難であったため,自動縫合器を用いて虫垂根部を切離し,前方アプローチで虫垂を摘出した。その後,前方より大腿ヘルニア根治術を施行した。De Garengeot herniaにおいて嵌頓解除が困難な場合,前方から摘出する選択は汚染拡大を防ぐうえで有用性が高い。嵌頓解除困難なde Garengeot herniaに対して腹腔内アプローチと前方アプローチの併用が有用であった1例を経験したので報告する。

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© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
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