日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
Spigel腱膜に発生したポートサイトヘルニアの1例
小野 仁
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2021 年 41 巻 5 号 p. 339-342

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抄録

症例は52歳,女性。保存的加療後の急性虫垂炎に対し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。手術では臍部,左下腹部に12mm,恥骨上に5mmポートを留置した。術後2日目に嘔吐,左下腹部痛,左下腹部膨隆を認めた。同日CT検査で,左下腹部12mmポート孔への小腸嵌頓を認めた。ポートサイトヘルニア(port site hernia:以下,PSH)による絞扼性腸閉塞と診断し,緊急手術を施行した。腹腔内より嵌頓を解除したところ,腹腔内のヘルニア門は12mmポート孔であったが,腹壁からの脱出はポート孔ではないSpigel腱膜であった。嵌頓腸管は壊死が疑われ,小腸部分切除を施行した。ヘルニアが発生した左下腹部のポート創は腹直筋後鞘を欠いたレベルのSpigel腱膜で解剖学的に脆弱でありPSH発生の一因であると考えられた。PSHの予防には,筋膜縫合では不十分であり,全層縫合が不可欠である。ポート孔がSpigel腱膜に一致する場合はとくに注意が必要である。

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© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
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