2021 年 41 巻 5 号 p. 343-346
血栓を伴う有症状の肝外門脈瘤に対して保存的加療で血栓・門脈瘤が縮小した症例を提示する。症例は53歳女性。検診で脾静脈と上腸間膜静脈合流部に約40mmの門脈瘤を指摘された。無症状であったため当院で1年前より経過観察していた。上腹部痛を主訴に受診し,約50mmに拡大した瘤と内部に充満した血栓を認めたが,肝内門脈血流は維持され,肝障害を認めなかった。入院し,深部静脈血栓症の治療法に準じてヘパリン投与を開始した。アピキサバン内服に切り替え,症状改善と血栓縮小傾向を確認後に退院した。退院3ヵ月後の造影CTでは,門脈瘤は約40mmに縮小し,血栓はほぼ消失していた。治療開始から6ヵ月後の現在も症状の再燃なく経過観察中である。文献的に手術症例も散見される血栓を伴う肝外門脈瘤に対して,期間は限られているが保存的に良好な経過を得ている1例を経験した。