2024 年 44 巻 4 号 p. 601-604
症例は74歳の男性。当院で9年前に早期胃癌に対し胃全摘,結腸後経路でRoux-en-Y法再建術が施行された。今回,腹痛・腹部膨満感・発熱が出現して救急来院,精査で輸入脚閉塞症の診断で緊急手術を施行した。術中所見では輸入脚の内ヘルニアに伴う閉塞であり,腸閉塞解除を施行した。術後第6病日から39℃の発熱と腹部膨満,腹痛が出現し,腹部CT検査で後腹膜に気腫を伴う膿瘍を認めたため,腹膜炎の診断で緊急再開腹術を施行した。術中所見では十二指腸水平脚に長軸方向4cmの腸管壊死を伴った穿孔部を認めたため,壊死部のデブリードマンを行い同部にTチューブを挿入してドレナージとした。術後経過は良好で,術後38日目に軽快退院した。治療に難渋したまれな輸入脚閉塞症による遅発性十二指腸穿孔の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。