2024 年 44 巻 4 号 p. 649-652
症例は心臓弁膜症術後で抗凝固薬を内服中の80歳,男性。腹痛,食思不振,嘔気を主訴に来院した。精査のCT検査で脾出血を伴う胃短軸捻転症を認めた。内視鏡的に捻転を解除し,脾出血に関してはCT検査で明らかな血管外漏出像はなく,保存加療の方針とした。その後胃軸捻転の再燃はなく,また出血のコントロールも可能であり第14病日に軽快退院となった。整復後も瀑状胃が残存しており,今回の胃軸捻転の誘因となったと考慮された。胃軸捻転症に腹腔内出血を伴うことはまれであり,内視鏡的整復での保存加療症例は本邦では1例目であった。本症例のような高リスク症例においても内視鏡的整復は最小限の侵襲で加療が可能であり,優先される治療法と考えられた。