日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
大動脈弁狭窄症を有する超高齢者で傍ストーマヘルニア嵌頓による腸閉塞を繰り返しSugarbaker法で修復を行った1例
前川 夏穂上野 陽介中村 幸暉平野 琢土保武 雄真多賀 聡矢野 公一
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2024 年 44 巻 4 号 p. 653-656

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抄録

90歳,女性。20年前に直腸癌に対してMiles手術を施行され後腹膜経路で単孔式結腸ストーマが左下腹部に造設されている。持続する嘔吐で当院を受診し,傍ストーマヘルニア嵌頓が原因の腸閉塞と診断された。胃管を留置し減圧を行い自然還納したが,7日目に再発し,手術加療とした。超高齢かつ低心機能のため術中の循環動態を考慮し,開腹手術を選択した。手術はヘルニア門を閉鎖したのちコンポジットメッシュを用いてヘルニア修復を行った。傍ストーマヘルニアではヘルニア門の単純閉鎖よりもメッシュを使用した修復のほうが再発率は低いといわれるが,本邦では単純閉鎖の報告が多い。超高齢者で重症心不全を有していたがSugarbaker法を行い,術後4ヵ月間は無再発であった症例を経験した。本法は傍ストーマヘルニア嵌頓に対する有用かつ低侵襲な治療の選択肢の1つになり得ると考える。

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