日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下に整復・切除を行ったBall Valve Syndromeをきたした胃癌の1例
大津 周村尾 佳則森本 大樹堤 綾乃松岡 信子大田 修平
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2024 年 44 巻 7 号 p. 883-887

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抄録

症例は84歳の女性。繰り返す嘔吐を主訴に当院へ紹介となり,腹部CTで幽門から十二指腸にかけての壁肥厚があり,胃軸捻転もしくは胃重積が原因と考えられる通過障害を認めた。診断的治療目的に上部消化管内視鏡検査を行ったところ,胃体部の粘膜が幽門輪へひきつれ,胃重積を認め,整復困難なため同日に腹腔鏡手術を行った。腹腔鏡下に観察すると,胃腫瘍が先進部となることで胃-十二指腸重積をきたしていた。腹腔鏡鉗子の柄で腫瘍を包むように肛門側から口側へ押し出し,腫瘍を胃内に還納したうえで,内視鏡観察下での腹腔鏡下胃部分切除術を行った。病理組織学的診断は,粘膜下層浸潤の粘液癌であった。Ball valve syndromeをきたすと腫瘍の嵌頓解除が困難なことから,十分な精査ができず緊急手術となることが多い。腹腔鏡下に嵌頓解除した報告は少なく,診断と治療に腹腔鏡が有用なことが示唆されたため若干の文献的考察を含めて報告する。

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