2024 年 44 巻 7 号 p. 899-902
患者は60歳,女性で,2週間前から持続する右上腹部の有痛性腫瘤を主訴に当院を受診した。腹部CT検査では,胆囊萎縮,壁の全周性肥厚,および胆囊底部から連続する腹壁膿瘍が認められた。以上より,急性胆囊炎,胆囊皮膚瘻,腹壁膿瘍と診断した。まずは胆囊と腹壁の2ヵ所に対して経皮的ドレナージを行った。炎症所見はすみやかに改善したが,腹壁膿瘍腔内に複数の落下胆石が認められた。そのため,入院23日目に腹腔鏡下胆囊亜全摘術,瘻孔切除術,経皮的採石を実施した。術後経過は良好で術後5日目に退院した。退院後も腹壁膿瘍や胆管炎の再発は認めていない。複雑な感染状態であったが,はじめに経皮的ドレナージを行い,その後待機的な腹腔鏡手術と経皮的採石を行うことで,安全かつ低侵襲な治療を完遂することができた。