2024 年 44 巻 7 号 p. 895-898
症例は84歳,男性。既往に高血圧・心房細動・僧帽弁閉鎖不全があった。胸痛を契機に発見された胸部大動脈瘤に対して緊急で胸部大動脈ステントグラフト内挿術が施行された。その後,残存する解離と僧帽弁閉鎖不全に対して再手術を予定していた。経口摂取不良のため内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:以下,PEG)を施行した。翌日から経管栄養を開始したが,嘔吐のため適宜メトクロプラミドを使用し改善していた。PEG後11日目,術前評価の造影CTで腸管・門脈気腫症を認め外科コンサルトとなった。発熱なく,採血データや腹部所見に乏しかったが,院内発生であり基礎疾患を考慮,試験開腹術を施行した。しかし,腸管壊死は認めなかった。術後心不全・肺炎を併発し再手術不能となり,施設へ退院した。PEG後に発生した腸管・門脈気腫症に対して,手術が過大侵襲であった1例を経験した。