日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
交通外傷を契機に腹腔内出血をきたし診断に至った壁外発育型小腸GISTの1例
鈴木 佑麿渡部 篤史二川 泰人瀧島 輝幸久保 寿朗
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キーワード: GIST, 腫瘍出血, 交通外傷
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2025 年 45 巻 3 号 p. 430-434

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抄録

症例は78歳,男性。単独の交通事故で当院へ救急搬送された。搬送時,意識は清明,左膝の擦過傷と頻脈を認めたが,体表面に外傷は認めなかった。逆行性健忘を認め,精査加療目的で緊急入院となった。翌日の血液検査でヘモグロビンの急激な低下を認め,胸腹部造影CT検査を施行。腹腔内に約60mm大の腫瘍と腫瘍周囲および骨盤内に血性腹水を認め,腫瘍からの出血を疑い,止血および腫瘍摘出目的で緊急手術を施行した。術中所見は,Treitz靭帯から約150cmの空腸に壁外発育型の腫瘍を認めた。腫瘍は弾性軟で腫瘍表面の被膜は裂けており,出血を呈していた。腫瘍を含めた同部位の小腸を切除した。病理組織学的所見で壁外発育型小腸gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)と診断された。今回,交通外傷を契機に腹腔内出血をきたし診断に至った壁外発育型小腸GISTの1例を経験したので,文献的考察をふまえて報告する。

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