日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔動脈狭窄による膵頭部アーケード発達を背景に出血をきたした十二指腸消化管間質腫瘍の1例
北見 智恵, 河内 保之
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2026 年 46 巻 6 号 p. 684-688

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抄録

腹腔動脈起始部狭窄に伴う膵頭部アーケード血管の異常発達を背景に,前下膵十二指腸動脈(AIPDA)から栄養され出血した十二指腸GISTのまれな1例を経験した。症例は69歳,男性。黒色便と一過性意識消失で搬送され,CTで十二指腸水平脚に濃染腫瘤を認めた。腹腔動脈および総肝動脈の狭窄により膵頭部アーケードが発達し,腫瘍はAIPDAより栄養されていた。内視鏡的止血が得られず,血管造影を施行し,AIPDAからの腫瘍濃染を確認しコイル塞栓した。その後は貧血の進行なく,塞栓3日後に十二指腸部分切除を行った。腫瘍は膵鈎部に接して充血,突出し,剝離過程で太い栄養血管を確認し結紮した。病理はlow‑grade GISTであった。腹腔動脈狭窄に伴う側副血行路発達とGISTの併存が出血原因となったまれな症例であり,術前動脈塞栓術は循環動態の安定化と安全な手術遂行に有用であった。

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