2026 年 46 巻 6 号 p. 689-692
症例は60歳台男性。黒色便,腹痛にて入院した。入院翌日,多量に下血し出血性ショックを呈し,腹部造影CT検査で傍十二指腸乳頭憩室からの造影剤の漏出像を認めた。血管造影検査を行い,前上膵十二指腸動脈からの造影剤の漏出を認めたため,血管内治療によるコイル塞栓術を行った。血管内治療で止血は得られたが,入院7日目に再度出血し,再度血管内治療を行ったが出血コントロール不良であった。緊急で開腹傍十二指腸乳頭憩室切除術を施行し,止血を得た。傍十二指腸乳頭憩室出血に対して内視鏡治療,血管内治療による止血が困難な場合,外科手術は有効な選択肢となり得る。Vater乳頭から憩室までの距離が確保できる症例では傍十二指腸乳頭憩室切除術が術式の選択肢にあがる。