教育メディア研究
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日本語教師の実践交流コミュニティによる専門的成長の支援
加藤 由香里
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 20 巻 2 号 p. 35-44

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抄録

本研究では,ネットワーク上での他の教師との交流を通じて,自らの教師としての成長を考える「教育の学問的研究(SoTL)」を国内外で活動する日本語教師を対象にすすめている。2012年4月から9月までの6カ月間,この活動に参加した日本語教師9名に意見を求めた結果,(1)参加者の交流活動が十分に行えなかった点が不満であること,(2)若手教師からの自発的な意見表明が難しいこと,(3)参加者同士の意見交換を活性化するために,強制的な報告なども含めたルール作りが必要であること,(4)活動記録としてのティーチング・ポートフォリオ作成が有意義であったこと,が明らかになった。この結果をふまえて,2012年11月から2013年5月までは,参加者で興味のあるサブグループを作り,グループのリーダが中心となって心理的負担を軽減して省察活動に取り組める工夫を試みた。その結果,2つのサブグループで,WEBサイトを通じた交流数の増加とともに,学生同士の交流プロジェクト,セミナーの企画など現実の問題を解決するための議論と交流が行われた。

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© 2014 日本教育メディア学会
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