抄録
日本人中国語学習者は,日本語漢字の知識で中国語を理解しようとする傾向がよく見られる.このことは,学習を促進する場合もあれば,阻害する場合もある.そこで,本研究では,中日漢字の対応関係に注目して,それを示した関係図を用いて学習を支援するシステムを開発し,評価を行った.具体的には,まず,学習対象となる中日漢字の対応関係(字形・字音・字義の3観点)を抽出した.次に,これらを登録したシステムを開発し,実験授業に用いて評価した.その結果,学習者は積極的に各自の関係図を作成する活動を行うと共に,前年度の学習者の成績よりも平均値が有意に上昇していることが確かめられた.