教育メディア研究
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e-ポートフォリオを活用した授業研究に関する研究
カリキュラム・マネジメントへの意識化を促す教職大学院のプログラム開発
小柳 和喜雄真弓 英彦田代 伸一宇野 剛乃一 志保
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 24 巻 2 号 p. 29-42

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抄録

本研究は,教員また教員志望者に,子供の学習記録を蓄積したe-ポートフォリオを用いたエビデンスに基づく授業研究の意味やカリキュラム・マネジメントへの意識化を促すことに貢献する教職大学院の授業プログラムの開発を試みている。そして,その際のe-ポートフォリオの運用方法としてどのような留意点があるか,その検討を行った。結果として,1) e-ポートフォリオの運用は,院生の子供理解や授業省察の意識に影響を及ぼすこと,2) 学習記録を見る小学校用e-ポートフォリオ(知恵たま)自体に,授業改善に向けた省察を支援する機能を持たせること,3)e-ポートフォリオの運用は,教員チームで,子供の姿のエビデンスをもとに,授業を考える手ごたえを提供する機会となること,4)カリキュラム・マネジメントに向けて,学校での取り組みを作っていくには,e-ポートフォリオで何を残す必要があるか,初めから見通しを持っておくことが重要であること,5) e-ポートフォリオの活用ともかかわって,子供たち自身に情報活用能力を意識的に培っていく必要があること,の重要性が明らかになった。

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© 2018 日本教育メディア学会
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