抄録
本研究では,ソーシャルロボットと人を登場人物とした劇をつくる授業が小学校プログラミングで育成する資質・能力を基にした学習目標の達成につながるのか,また,ロボットが教室にいない場合や,コンピュータ上のバーチャルロボットを操作する場合について,ソーシャルロボットが教室にいる場合と同様な学習効果が得られるかについて検討する。実践は小学5年生98名を対象に行い,教室全体でプログラミングの動きを確認する際に,画面上のバーチャルロボットで動作を見るバーチャル群,遠隔にあるロボットで動作を見る遠隔群,教室で1台のロボットで動作を見るロボット群に分けて実施した。実践の結果,本実践で設定した学習目標を一定程度達成することができた。また,群間の違いを分析した結果,ロボットやプログラミングに対する意識調査の一部において,ロボット群は他の群より向上が見られた。作品の分析では,ロボット群は,創造性は高いが授業の目的とは異なる作品を作る傾向にあった。