抄録
1995年以降,教育方法や教育目標の見直しが進み,学習者の特性に応じた学びを実現する為に教育メディアの役割を再検討する必要性が高まっている。こうした個別最適な学びの重要性を踏まえ,本研究では映像を活用した実践と映像の役割の変遷を文献調査により明らかにし,個別最適な学びに向けて発展すべき知見を整理した。その結果,2005年以降は機能改善に位置づく研究が中心であった一方,2021年以降には1人1台情報端末の普及とCOVID-19の流行を背景として,実践モデルの変容に位置づく研究が増加した可能性がある。また2017年にラーニングアナリティクス研究,2022年末以降に生成AI活用に対する期待が高まったが,いずれも実践研究は件数が限定的であった。以上より今後は個々の学習特性に適した教材や学習方略の提供,個々の理解度や学習スタイルに応じた学習支援,学習空間を選択できる実践に関する研究を進め,実践の変容や再定義に資する知見を蓄積する重要性を示唆した。