抄録
本研究では,立体視による奥行き表現やインタラクティブな操作といったバーチャルリアリティ(VR)の特性を学習者が理解し,それらを活用した題材を考案してコンテンツを制作する授業実践を行った。対象は高校1, 2年生で,全12時限の授業を実施した。最初にVRの特性及び利点に関する学習を行い,続いて,VRコンテンツ制作に関わる技術的な演習を実施した。その後,VRの特性を活かすためのアイデアを議論して,ノートパソコン型VRシステムで動作するコンテンツを制作した。生徒はグループに分かれて協働的に取り組み,最終的にプレゼンテーションと相互評価を実施した。その結果,現実空間では実現が困難な事象をVR空間で表現する試みや,通常は二次元の論理的戦略ゲームを三次元へ拡張する試み,応急処置に関わるトレーニングを簡易に実現する試みが提案され,学習者がVRのメディア特性を主体的に活用できる可能性が示唆された。