抄録
本研究では,小学校4年生の「振り返り」を活用して,生成AIによる道徳科所見文生成ツールの有効性を検証した。本ツールの特徴は,学習者が生成AIとの対話を通じて質的に高めた「振り返り」の記述を評価データとし,個々の学びを反映した所見文を自動生成する点にある。
生成された所見文を「個別性」「網羅性」「表現の自然さ」の3観点から検証した結果,「個別性」において高い評定が得られ,学習者の具体的な記述を反映することによって,所見文の質向上に寄与することが示唆された。一方で「網羅性」や「表現の自然さ」には課題も見られたものの,教員による編集を前提とした活用が有効と判断された。質問紙調査では,「実用性」「時間短縮」「応用可能性」のいずれも肯定的な回答が得られ,業務負担軽減に寄与する可能性が示された。