抄録
本研究では,学校におけるデジタル機器利用の拡大に伴い重要性が高まっている視覚疲労や近視予防の課題に着目し,MR(Mixed Reality)ヘッドセットを用いて実空間における視距離を測定する手法を提案する。視覚疲労や近視の原因として学習時の短い視距離が指摘されるが,教室において視距離を客観的に把握することは容易ではない。提案手法では,MRヘッドセットの空間認識機能を用いて実空間内の2点間の距離を算出することで,視距離測定を可能にする。開発後には,本手法の有効性を検証するために,実距離との比較による距離測定の精度の確認と,情報端末の画面に対する測定距離及び測定角度の影響について検証した。これらの結果から,本手法に適した視距離の測定条件が明らかになり,教室環境を想定した条件下において,視距離把握の手法として有効であることが示唆された。