日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集1
副腎皮質癌
川崎 芳英海法 康裕伊藤 明宏中村 保宏森本 玲佐藤 文俊荒井 陽一
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2014 年 31 巻 3 号 p. 184-188

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抄録

近年,画像検査機器の進歩に加え,内分泌腫瘍に対するガイドラインが策定され,今後,副腎腫瘍の発見頻度が増加するものと予想される。現状では内分泌専門医が常勤してない医療施設も多く,画像検査で偶発的に発見された副腎皮質癌(ACC)を疑われる症例が,われわれ外科医へコンサルトされる場面が想定される。その際は,内分泌学的検査をする必要があり,外科医にもある程度の内分泌学的知識が要求される。しかし,術前,術後のミトタンなどによる補助療法に関しては,副腎不全などの特異的な副作用があり,施行に際しては内分泌専門医による対応が必要と考える。low stageのACCのうちWeiss criteriaにてscoreの高い症例では術後再発のリスクが大きく,外科医としては,再発時には常に外科的切除の可能性を念頭に,個々の症例に注意深い経過観察と慎重な対応が求められる。

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