日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
甲状軟骨形成術Ⅰ型
梅野 博仁
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2016 年 33 巻 4 号 p. 228-232

詳細
抄録

甲状腺手術後の一側反回神経麻痺に対する音声改善手術として,声帯内注入術と同様に甲状軟骨形成術Ⅰ型は世界で広く行われている。甲状軟骨形成術Ⅰ型は喉頭枠組み手術の中の一つで,患側声帯の部位に一致した甲状軟骨部を開窓し,同部に外からインプラント材料をフランジとして充填し声帯を内方に移動させる術式である。使用するフランジは施設で異なるが,シリコンブロック,ポリテトラフルオロエチレン(ゴアテックス®),ハイドロキシアパタイト,チタンプレートなどが使用されている。患者の喉頭形状は個人差が大きく,われわれは患者の単純喉頭CT検査から得たDICOMデータを利用し,個人の喉頭に合致した適切なフランジの形状作製に取り組んでいる。この取り組みがⅠ型の治療成績の向上に繫がることを期待している。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top