アジア市場経済学会年報
Online ISSN : 2424-2195
Print ISSN : 2185-1379
イオングループの国際戦略 マーケティング・ケイパビリティによるアジア進出
星田 剛
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 24 巻 p. 81-90

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抄録

小規模事業であったイオンが日本を代表する小売業となり,かつアジア13カ国で売上7600億円まで成長するに至った要因を,マーケティング・ケイパビリティ(MC)という組織能力に着目して検討していく。イオンは,黎明期に財務規律,人事・組織運用則などの内部重視のケイパビリティを開発した後,次の成長期に,欧米小売業から多角化,商業集積,環境社会貢献活動などのケイパビリティを外部から学び(アウトサイドイン・プロセス),両プロセスを結合する架橋プロセスに関わるケイパビリティを開発してアジア事業を成長させている。本稿は,小売業の国際化の成功要因を能力開発の視点から分析する際に,MCのフレームワークが有効であることを示す。

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© 2021 アジア市場経済学会
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