これまで,企業の研究開発を促進する要因に関する研究は盛んに行われてきた。特に,グローバル企業における知識共有,知識移転の観点から,研究者間の情報交換,外部情報の流入やその管理,知識移転を成功させる要因についての実証研究が多く実施されている。しかし,それらの知識が移転するツールである研究者ネットワークを明示,分析している研究は殆ど見られない。特に,エレクトロニクス等の先端技術分野を営む企業において,競争優位の源泉である研究者の動きを部外者が詳細に把握することは困難である。本研究では,米国に出願された特許出願情報を分析することで,業績の高い発明者個人が形成している研究者ネットワークの特徴や,それら発明者間の関係性を明らかにしている。急成長を遂げ今や業界トップを争うグローバル企業となったサムスン電子を対象とし,その研究開発の現場の特徴を探ることを研究目的としている。