世界的に高齢化が進む現代において,日本の介護事業者が「日本式介護」を求めるアジアに向けて進出を試みている。しかしながらそのサービスの内容が理解されず,顧客が集まらない,現地の介護従業員が育たないことなどを理由に,現地化を断念するといったことが課題となっている。本研究ではその解決に向けて,「日本式介護」を利用者に提供し,サービスを普及する鍵となる現地従業員の人材育成に焦点を当て,中国にフランチャイズ展開を試みている企業の取組みを調査研究した。その結果,異文化諸国へ提示するための差別化された「日本式介護」のサービスの一つの形と,それを従業員に伝えるための人材育成手法,並びに顧客へ普及するためのプロセスが明確になった。