有孔フィルム包装(PFP),温湯浸漬(HWD),温湯カルシウム浸漬(HCD)の収穫後処理が‘清見’果実のこはん症発生と品質に及ぼす効果を比較した。3種類の処理を施した果実を段ボール箱に収納し,10℃で4週間貯蔵した。PFP処理区では,ほかの処理および対照区(無処理)と比較して,重量減少が明らかに小さく,果実硬度が明らかに高い結果が得られた。すべての処理はこはん症の発生を減少させたが,PFPとHWD処理はHCD処理より高い減少効果を示した。また,これらの処理は対照区と比較して,糖度(TSS),滴定酸度(TA),TSS/TA比,アスコルビン酸含量,エタノール含量を損なうことはなかった。これらの結果より,高湿度条件を保ち,かつ8%以上のCO2濃度環境と5%以下のO2濃度環境を避けたPFP処理はこはん症の抑制と品質保持において最も効果的で,商業的に実用的な方法であると考えた。