日本食品保蔵科学会誌
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モンゴル伝統薬草類の抗酸化性評価/キンロバイの抗酸化性
鳥居 恭好, 清水 敬介, 竹永 章生
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2012 年 38 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

 世界各地の伝統食品の機能性,特に健康増進・疾病予防効果は,生活習慣病の増加に伴い近年重視されている。種々の生活習慣病に活性酸素種による脂質など生体分子の過酸化反応が深くかかわっているとされる。モンゴル産薬用植物は長い伝統と独特の背景を有し注目に値する。モンゴル遊牧民の伝統的主食は畜肉と乳製品である。動物性食品の過剰摂取は生活習慣病のリスク因子であるが,モンゴルにおける冠状動脈性心臓病・糖尿病罹患率は食習慣から推定されるより低い。私たちはこの現象を「French Paradox」に準え「Mongolian Paradox」と位置づけ,検討を進めている。

 遊牧民の指導のもと,薬用植物試料20数種をモンゴル国ヘンティ県で採集し試料とした。全草より水およびメタノール抽出物を得,ポリフェノール定量,抗酸化活性評価を行った。

 本研究で用いた試料のうち,数種に極めて強い抗酸化活性を見いだした。このうち最も強い抗酸化活性とポリフェノール含量を示したバラ科キジムシロ属の多年草Pentaphylloides fruticosa(モンゴル名:Borolzgono,和名:キンロバイ)は,全草を煎じて肝臓の薬として用いられている。肝炎や肝がんなど肝臓病の多くはその前駆病変として慢性の炎症を伴うことが知られ,強い抗酸化性をもつ薬草が肝臓病の治療に用いられてきたことは作用機作の面から興味深い。

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© 2012 一般社団法人日本食品保蔵科学会
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