日本食品保蔵科学会誌
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光学異性体選択的乳酸資化性菌を用いたDL混合乳酸からの高光学純度L-乳酸の調製
本間 裕人舩岡 侑未数岡 孝幸徳田 宏晴中西 載慶
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2021 年 47 巻 3 号 p. 153-159

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抄録

 dl-乳酸液中から,光学異性体のどちらかを選択的に資化する乳酸資化性菌の検索を行った。まず,計89株の乳酸資化性菌を土壌,樹葉などから分離した。これらのうち6株において,培養液中のd-乳酸がl-乳酸よりも選択的に消費され,l-乳酸の光学純度が向上していた。これらの菌の中でもLAAM055株は,得られたl-乳酸の光学純度が99.14%と高く,l-乳酸残存率も約77.7%と高いため生物学的処理への適性が高い菌であると考えられた。そこでこのLAAM055株の同定を行ったところ,子囊菌系アナモルフ酵母のGeotrichum vulgareに近縁かあるいは帰属する可能性のあるGeotrichum sp. と同定された。このGeotrichum sp. LAAM055株の乳酸資化におよぼす培養条件の影響を調べたところ,最適培養温度は30℃,最適pHは3.0であった。また,l-LAB調製時のGYP培地のグルコース濃度は2%の時において3%の時よりも効率的に高光学純度l-乳酸光学純度のl-乳酸を得ることができた。さらに,初発菌体濃度はOD660nmが16.300となるように菌体を加えた条件において最も効率的に乳酸の資化が行われた。

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