日本食品低温保蔵学会誌
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オゾンによる食品の品質保持に関する研究
(第1報) 麺類・野菜類の生菌数および品質への影響
永島 俊夫高野 克己松本 信二鴨居 郁三
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1989 年 15 巻 3 号 p. 132-136

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抄録
オゾン水の微生物に対する殺菌作用について検討するとともに, 麺類, カット野菜などの製造工程中への適用を試み, これらの品質保持に対するオゾン水の効果について検討した。
(1) オゾン水の微生物に対する殺菌作用は, その種類により異なり, E. coli, Ps. putida Ps. fluorescens, L. caseiはオゾン水濃度1ppm, 3分間の接触で, St. aureusは3ppm, 3分間または1ppm, 6分間で完全に死滅した。B. subtilisは3ppm, 10分間の接触でも完全に死滅するには至らなかった。Asp. nigerは3ppm, 6分間で死滅した。
(2) ゆで麺の二次冷却工程にオゾン水を用いた場合, 3ppm, 3分間の接触で保存中の生菌数の増加を抑制できた。
(3) カットキャベツの最終洗浄水にオゾン水を用いた場合, 保存中の生菌数は抑制され, 特に2ppm, 1分間の処理が良好であった。また, 色調の変化もかなり抑制されていた。
(4) もやしに対しても, オゾン水処理 (2ppm, 1分間) することにより生菌数の減少が認められ, 保存中における色調の変化も少なかった。
以上のように, オゾン水処理の有効性が認められ, 今後さらに広範囲な食品への適用が示唆された。
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