日本食品低温保蔵学会誌
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工場規模で製造した小魚の調味生干し加工品の微生物汚染状況及び製造工程の改善
吉和 哲朗
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1992 年 18 巻 2 号 p. 62-65

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抄録

工場規模で製造した小魚の調味生干し加工品 (サヨリ, キス, マダイ) の微生物汚染状況を把握するための調査・分析及び製品の初発菌数を減少させるための製造工程の改善策について検討した。
(1) 製品の性状を分析した結果, 生菌数が107cfu/gと多いことがわかった。
(2) 製造工程中における生菌数の変動を調べた結果, 最も菌の増殖が著しいのは, ラウンド魚の解体から水洗に至るまでの工程であった。
(3) 腹開きサヨリの放置中における生菌数の消長を調べた結果, 10℃では殆ど増加しなかったが, 25℃と35℃では増殖が著しかった。
(4) 小魚の調味生干し加工品を製造する場合, (1) ラウンド魚を充分水洗する, (2) ドレスの時点で充分水洗し, 清潔なまな板と包丁で, フィレー, 開き作業をする, (3) 製造器具の殺菌洗浄の徹底, (4) 作業時間の短縮および作業中の温度管理を徹底することによって, 製品中の生菌数 (従来法の製品107cfu/g) を105cfu/gまでに減少させることが出来た。

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