日本食品低温保蔵学会誌
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ウメ果実の品種別成分の比較
乙黒 親男樋川 芳仁
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1994 年 20 巻 1 号 p. 29-32

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抄録

ウメ果実の10品種の成分を調べた。
(1) 果重は小ウメ2.6~3.6g, 中ウメ15.0~34.3g, 大ウメ65.4gであった。
(2) 核重量比率は果重が小さい小ウメほど高い傾向を示した。
(3) 小ウメの全窒素, 遊離アミノ態窒素および灰分含量は中ウメや大ウメに比較して多いが, 滴定酸は少なかった。
(4) 小ウメのアルコール不溶性固形分および総ペクチン含量は中ウメより多かった。
(5) ウメの主要な有機酸はリンゴ酸とクエン酸で, クエン酸に対するリンゴ酸比は1.51~3.32でリンゴ酸が多かった。
(6) 遊離アミノ酸とアンモニア ('竜峡小梅'を除く) 含量は小ウメが276~758および67.2~84.8mg/100 gで中ウメや大ウメの87~180および0.3~2.2mg/100gに比較して著しく多かった。
(7) 糖組成は品種によりバラツキがみられ, 小ウメでソルビトール, 中ウメでスクロースが多く, 大ウメでは各糖の差異が少なかった。

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