日本食品低温保蔵学会誌
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20 巻, 1 号
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  • 渡辺 孝博, 北畠 直文, 土井 悦四郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ウサギ骨格筋原繊維筋原繊維の凍結変性とそれに対する界面活性剤の保護効果について研究した。筋原繊維は凍結-融解によりCa2+-ATPase活性が低下した。この活性低下は, : 筋原繊維懸濁液が0.2mg/ml以下の濃度で著しくなることがわかった。また, 凍結-融解を繰り返すほど, 凍結時間が長くなるほど失活が大きくなった。この凍結変性に対して非イオン性界面活性剤Tween20が防止効果を示すことがわかった。筋原繊維 (0.05mg/ml) の失活をTween 20 0.3%の添加で完全に抑制した。この濃度は, 変性防止作用を持つ糖・ポリオール類に比べて低い濃度であった。さらに, Tween 20とグリセリンを同時に添加することによって凍結変性の防止に相乗効果を示すことがわかった。
  • 伊藤 和彦
    1994 年 20 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究はクリームチーズを断熱容器と蓄冷材・断熱シートを用いて普通コンテナトラックによる夏期輸送の可能性について検討した。
    断熱容器には小形折り畳み容器であり, 熱貫流率は大形断熱コンテナの3.7~5.6倍に相当した。
    蓄冷材の凍結温度と融解の潜熱を測定した結果, 凍結温度・融解の潜熱は純水とほぼ等しかった。断熱容器のみの使用ではクリームチーズの初期温度 (0℃) を24時間後で8℃以下に保つことはできなかったが材料の外装を段ボール箱から発泡スチロール箱に変え, 断熱容器と蓄冷材, 断熱シートを併用することによって温度上昇を抑制することができた。本研究の結果から適切なコンテナを用い, 外装, 蓄冷材, 断熱シートを用いることによってクリームチーズを規定の温度範囲内で輸送することが可能であることを確認した。
  • 乙黒 親男, 金子 憲太郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    小ウメ (竜峡小梅甲州小梅) 果実の生育・成熟中の成分について検討した。
    (1) 果実の生育は核果類で認められている二重S字型生育曲線を示し, その生育過程は急速生育期, 生育停滞期および急速肥大期に分けられた。
    (2) 果実硬度は生育停滞期に1011±113g/φで最大となり, その後果実が肥大するとともに低下しその約3分の1となった。
    (3) AIS含量は生育初期に4.65%から果実の生育・成熟に伴い減少し, その約2分の1となった。またAISに対する総ペクチン含量の比率は果実の生育・成熟に伴い16.9%から29.7%に増加した。
    (4) 灰分, 全窒素および遊離アミノ態窒素は増加後, 果実肥大に伴い減少した。
    (5) 滴定酸含量は3.1~5.5g/100gの範囲にあり, 生育停滞期の増加が著しく, 果実肥大期にほぼ一定となり, 可溶性固形分と似た変化を示した。
    (6) 有機酸はリンゴ酸, クエン酸, シュウ酸およびコハク酸が存在し, 生育・成熟中の総含量は3478~6517mg/100gで滴定酸度と似た変化を示した。また生育・成熟に伴いクエン酸の組成比は8%から60%に増加, リンゴ酸は86%から39%に減少し, クエン酸に対するリンゴ酸の比率は10.59から0.65に低下した。
    (7) 遊離アミノ酸含量は生育につれて増加し最大340mg/100gとなり, その後果実肥大期にはその約2分の1に減少し, 再び過熟期に増加した。全生育期間で含量の多いものはアスパラギンで全体の73~87%を, さらにγ-ABA, グルタミン酸, グルタミンおよびアスパラギン酸を加えると93~98%を占めた。
    (8) 糖はスクロース, グルコース, フラクトースおよびソルビトールで構成され, 各生育期間での主要な糖の組成比は生育初期のグルコースが36~54%, 生育停滞期のグルコースとソルビトールがそれぞれ22~31%と33~34%, 果実肥大期のスクロースが49~78%であった。また生育・成熟に伴いグルコースは減少, フラクトースは増加後減少するため, フラクトースに対するグルコースの比率は4.94から0.55に低下した。
    (9) 全無機成分含量は生育停滞期に3123ppmと最も多く, その後果実の肥大に伴ってその約78%に減少した。含量の多いものはKで全体の90~95%, 次いでCaとMgが多く, これを加えると99%を占めた。
  • 乙黒 親男, 金子 憲太郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    '立塩法'による塩蔵の硬度保持条件 (Ca, Mg塩の種類, Ca塩添加量, 食塩濃度, 塩蔵および貯蔵温度) について調査・分析し, それらの条件で塩蔵した小梅漬けの硬度, ペクチンおよびCaの関係について比較検討した。
    (1) 立塩法の歩留りは撒塩法に比較し10%増加した。
    (2) 小梅漬けのペクチン結合Ca含量はPSP>HSP>WSP画分の順に存在した。
    (3) PSP画分の単位ペクチン当たりのCa含量の増加に伴いPSPからHSPへの移行と硬度の上昇が起こった。
    (4) Ca塩では硬度保持効果が認あられたが, Mg塩では軟化した。またCa塩では弱電解質塩が強電解質塩より効果が強かった。
    (5) Ca塩添加量の増加に伴いWSPおよびPSP画分の単位ペクチン当たりのCa含量が増加し, 両ペクチンの減少とHSPの増加および硬度の上昇が起こった。
  • 乙黒 親男, 樋川 芳仁
    1994 年 20 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ウメ果実の10品種の成分を調べた。
    (1) 果重は小ウメ2.6~3.6g, 中ウメ15.0~34.3g, 大ウメ65.4gであった。
    (2) 核重量比率は果重が小さい小ウメほど高い傾向を示した。
    (3) 小ウメの全窒素, 遊離アミノ態窒素および灰分含量は中ウメや大ウメに比較して多いが, 滴定酸は少なかった。
    (4) 小ウメのアルコール不溶性固形分および総ペクチン含量は中ウメより多かった。
    (5) ウメの主要な有機酸はリンゴ酸とクエン酸で, クエン酸に対するリンゴ酸比は1.51~3.32でリンゴ酸が多かった。
    (6) 遊離アミノ酸とアンモニア ('竜峡小梅'を除く) 含量は小ウメが276~758および67.2~84.8mg/100 gで中ウメや大ウメの87~180および0.3~2.2mg/100gに比較して著しく多かった。
    (7) 糖組成は品種によりバラツキがみられ, 小ウメでソルビトール, 中ウメでスクロースが多く, 大ウメでは各糖の差異が少なかった。
  • 北尾 次郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 矢野 俊正
    1994 年 20 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 佐野 洋
    1994 年 20 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1994 年 20 巻 1 号 p. 54-56
    発行日: 1994/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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