アルコールのブロッコリーに対する鮮度保持効果について常温 (23℃), 低温 (7℃) において検討し, 鮮度保持効果がやや認められた低温の結果について速報した。
1. 低温貯蔵 (7℃) 中の重量減少は無浸漬の対照区に比ベアルコール溶液に浸漬したブロッコリーは少ない傾向を示した。
2. ブロッコリーの肉眼観察による色の変化は, 対照区, 5処理区は黄化が著しく, 7%, 10%処理区は13日後でも緑色を保持し, その後黄化した。花らいの黄化の程度を表すL・b/|a|値も対照区, 5%処理区では著しく高く, 7%, 10%処理区は余り増加せずエタノール処理による緑色保持効果が認められた。
3. 花らいのクロロフィル含量の減少も10%アルコール処理区でやや抑えられ, 肉眼観察, L・b/|a|値の変化との相関もある程度認められた。
4. 総VC含量の経日的な変化は, 貯蔵6日目までは変化がなかったが, 対照区, 処理区ともに60%の残存であった。
5. 環境気体の変化は低温貯蔵のため呼吸が抑制されているので総じて緩慢であった。
6. 総合鮮度の評価結果, 無処理の対照区に比べ, 食用可能日数が, 10%アルコール処理区の場合, 3日から4日延長することができ, 貯蔵13日目のブロッコリーの食味テストの結果アルコール処理による嗜好上の遜色も認あられなかった。低温貯蔵におけるブロッコリーの鮮度保持にたいするエタノールの効果が認められた。
なお, 本研究は (社) アルコール協会研究費により行ったものである。関係各位に深く感謝致します。
また,学会誌への投稿を許可していただいた通産省に深謝致します。