日本食品保蔵科学会誌
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梅漬の硬度保持に及ぼす海藻灰化物の影響
乙黒 親男金子 憲太郎小竹 佐知子八代 浩二日原 政彦
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1997 年 23 巻 4 号 p. 199-205

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抄録
梅漬に対する海藻灰化物の硬度保持効果を従来の水酸化カルシウムあるいは乳酸カルシウムのそれと比較検討した。海藻灰化物の主要成分はX線回析パターンから, ワカメは塩化ナトリウム, コンブは塩化カリウムおよび塩化ナトリウムと確認された。梅漬の硬度保持効果では海藻灰化物による差異が認められなかったが, 従来の硬度保持剤に比較するとやや低かった。また, ペクチン組成は従来の硬度保持剤に比較して水溶性ペクチンがやや多いが, 大きな差異は認められなかった。一方, 海藻灰化物を添加した梅漬の特徴は果皮の緑色がやや強く, さらに萎縮が起こらないため歩留りが良かった。
以上の結果, 海藻灰化物は梅漬の硬度保持剤としての利用の可能性が考えられた。
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