日本食品保蔵科学会誌
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23 巻, 4 号
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  • 植松 齊, 佐藤 幹夫, 久保井 榮, 池田 勇治, 新部 昭夫, 大坪 孝之, 舛水 康彦, Kiyoto URIU
    1997 年 23 巻 4 号 p. 185-192
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究は日本産及び米国カリフォルニア産のニホンナシ'二十世紀'について果実品質の比較をしたものである。果実のサンプルはカリフォルニアではフレズノ及びサクラメントより, 日本は鳥取及び長野より各々市場に流通している標準的な大きさの果実を材料とした。
    1. 生育期間中の気象条件について, 米国カリフォルニアの最高気温及び平均気温は日本より高かったが, カリフォルニアの最低気温は日本より低い値であった。日本の降雨量はカリフォルニアより高く, 月平均約100-150mmの値を示した。カリフォルニアは生育期間中にはほとんど降雨がみられなかった。日本の湿度はカリフォルニアより高く, 日照量についてみるとカリフォルニアは日本より高い値であった。
    2. 日本産とカリフォルニア産果実はほぼ標準的なサイズをサンプリングするよう努力した。日本の階級区分で, カリフォルニア産果実はL, 日本産果実は2Lクラスであった。これらのことから日本産果実は果実重, 縦径及び横径とも僅かにカリフォルニア産果実より高い値であった。D/L値 (果形指数) は日本の値が僅かに高く, 僅かに平たい果実であった。果皮色は日本及びカリフォルニアには差がみられたが, 各々の地域をみると一定の傾向はみられなかった。米国産果実の果肉硬度は日本産果実より著しく高く (フレスノ : 5.55, サクラメント : 4.98, 鳥取 : 2.21及び長野 : 3.00kg/cm2), で硬度が高くなると著しく搾汁率が低下する傾向がみられた。日本産果実の搾汁率は高い値を示したが, 硬度及び搾汁率に顕著な相関関係は認められなかった。
    3. 米国産果実のシュークロース濃度は日本産果実より著しく高い値を (フレスノ : 5.54, サクラメント : 6.42, 鳥取 : 3.05及び長野 : 2.649/ml) 示し, さらにソルビトールも高い値を示した。カリフォルニアの昼夜間の温度較差, 日照量, 降水量など気象条件がシュークロース及びソルビトール集積に影響したものと思われる。グルコース及びフラクトースには顕著な差は認められなかった。
    4. 日本産果実のクエン酸濃度は米国より高く, また逆にカリフォルニア産果実のリンゴ酸濃度は日本産果実より高い値を示した。しかし全酸濃度には差は認められなかった。
  • バナナ果実の切断による生理・化学的変化に関する研究 (第2報)
    阿部 一博, 棚瀬 匡彰, 吉村 公一, 高橋 徹, 茶珍 和雄
    1997 年 23 巻 4 号 p. 193-198
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究は, グリーンチップ段階のバナナ果実の果肉切片の品質変化や生理的特性に対する果皮の影響を明らかにしたものである。
    果皮の付いた果肉切片では, 切断面の褐変, 果肉が水浸状になり, 軟化することなどの変化は縦切り切片で最も顕著であった。輪切り切片におけるこれらの変化は, 切断面と維管束のなす角度が直角になるにつれて遅くなった。果肉のみの切片におけるこれらの変化も縦切り切片で最も顕著で, 0度切片で最も遅かった。
    CO2排出量とC2H4生成量も果皮の有無に関わらず, 縦切り切片で最も多く, 切断角度が小さくなるに連れて少なくなった。
    切片の切断形状が異なると生理活性や品質変化に差異が生じることに対しては, 果皮の影響が小さいことを明らかにした。
  • 乙黒 親男, 金子 憲太郎, 小竹 佐知子, 八代 浩二, 日原 政彦
    1997 年 23 巻 4 号 p. 199-205
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    梅漬に対する海藻灰化物の硬度保持効果を従来の水酸化カルシウムあるいは乳酸カルシウムのそれと比較検討した。海藻灰化物の主要成分はX線回析パターンから, ワカメは塩化ナトリウム, コンブは塩化カリウムおよび塩化ナトリウムと確認された。梅漬の硬度保持効果では海藻灰化物による差異が認められなかったが, 従来の硬度保持剤に比較するとやや低かった。また, ペクチン組成は従来の硬度保持剤に比較して水溶性ペクチンがやや多いが, 大きな差異は認められなかった。一方, 海藻灰化物を添加した梅漬の特徴は果皮の緑色がやや強く, さらに萎縮が起こらないため歩留りが良かった。
    以上の結果, 海藻灰化物は梅漬の硬度保持剤としての利用の可能性が考えられた。
  • E.I DIZON, M.G. MENDOZA, 飯野 久和
    1997 年 23 巻 4 号 p. 207-224
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    一部改変したCruz-Bernardoの方法によりナタデココ切削屑から粗抽出油を得、アルカリ処理により精製した。この精製油の化学的特性は、ココナツ、抽出方法あるいは精製過程の違いによる影響はなかった。
    15日から6カ月間貯蔵した抽出油についてその安定性を調べたところ、0.35%α-トコフェロール処理の褐色容器貯蔵のものが著しく安定であった。また、ナタデココクリームからの抽出油は新鮮なココナツ油に比較しフリーの脂肪酸量が著しく多かった。
    一方、ナタデココクリームのクラッカー用揚げ湯としての利用を検討したところ、その品質は2種の市販ココナツ油に対し大差は認められなかった。
  • 大和 弥寿
    1997 年 23 巻 4 号 p. 225-227
    発行日: 1997/07/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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