抄録
コマツナ葉のクロロフィルやアスコルビン酸などの品質関連成分の収穫後の変化が光照射によって抑制されるため, 光質の影響を調べて光の作用機構について考察した。
クロロフィル, アスコルビン酸, 遊離アミノ酸, 還元糖の変化は赤色光によって最も効果的に抑制さ礼近赤外光には成分保持効果が認められなかった。また, 2Klxの白色光下でDCMUによって光合成の糖生成を阻害した場合でもクロロフィル含量が保持され, 光の黄化抑制効果には光合成の糖生成は関与していないと判断した。一方, 3時間ごとの間欠照射において, 赤色光と近赤外光の光可逆性を調べたところ, クロロフィル含量には明らかな光可逆性が認めら礼フィトクロム系が関与していると推察された。アスコルビン酸は間欠照射では保持率が低く, 光量の影響が強いことなどから, 光合成のような光エネルギー依存性の反応により強く影響されていると考えられた。