2000 年 26 巻 2 号 p. 91-94
ブランチングしたブロッコリーの光照射下での退色がアスコルビン酸の添加により阻止できるかを調べた。まずクロロフィルaの80%アルコール溶液で光の照射 (30μmol・m-2・sec-1) の下でラジカル消去剤や抗酸化剤 (0.02M) を添加したところ, アスコルビン酸ナトリウムおよびエリソルビン酸ナトリウムが退色防止に顕著な効果があった。クロロプラスト懸濁液をボイルしたものにアスコルビン酸ナトリウムを添加した場合, 同様に光照射下での緑色保持に効果があった。ブランチングしたブロッコリー小花を光照射下に置くと, 照射1, 2日後、花蕾部分の緑色退色はみられないが, 小茎の部分は完全に退色し, アスコルビン酸を添加しても効果は無かった。アスコルビン酸ナトリウムを添加した小茎中の光照射下でのアスコルビン酸含量の変化を調べたところ、処理後1日で酸化型アスコルビン酸に変化した。光照射下でもガス難透過性のフィルムで真空貯蔵すると緑色はほとんど変化しなかった。