2002 年 28 巻 4 号 p. 175-181
緑茶ポリフェノール (GTP) を添加したモイストペレットを当才魚のハマチに給餌した。給餌開始2週間後にハマチを活けじめし, ラウンド氷蔵中の魚体の硬直指数ならびにK値に及ぼす影響を検討した。
その結果, GTP給与により魚体の硬直指数は完全硬直後も高値を示し, 解硬に伴う低下が緩慢であった。
また, 魚肉部のK値については, 無添加区と比較して変化が認められなかった。それゆえ, GTPはATP代謝系酵素反応の阻害あるいは促進に関与していないと推察された。
これらのことから, GTPの養殖魚への給与は, 保存あるいは流通段階の硬直指数を指標とした鮮度保持に効果的であることが認められた。