日本食品保蔵科学会誌
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品種および産地の異なる大豆のイソフラボン含量および豆腐加工適性
遠藤 浩志大野 正博丹治 克男島田 信二金子 憲太郎
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2003 年 29 巻 4 号 p. 221-228

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抄録
(1) 大豆のイソフラボンは品種および栽培年度により異なったが, 東北126号は2000年産, 2001年産のいずれも最も高含量であった。
(2) 東北126号は福島県の奨励品種であるスズユタカ, タチナガハより多収であった。
(3) 5試験地で栽培試験をしたところ, 東北126号は試験地, 栽培年度と無関係にイソフラボンが顕著に多く, スズユタカの1.6-1.7倍, タチナガハの1.7-1.9倍だった。
(4) 豆乳の収量, タンパク質含量, 固形分とそれらの豆乳への抽出率は2000年産, 2001年産ともに東北126号が高かった。
(5) 2000年と2001年産の大豆から調製した豆腐の破断強度は, いずれも東北126号が最も大きく, 次いでスズユタカ, 東北135号, 東北139号だった。
(6) 東北139号の加熱絞りによる豆腐はゲル形成能が極端に低かったが, 生絞り法で調製すると破断強度は増大した。脱皮大豆を用い加熱絞りで調製した場合も同様な結果が得られた。
(7) もめん豆腐の官能検査において, 東北126号はスズユタカ, フクユタカ, タチナガハよりも舌触り, おいしさの評価が高かった。
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